会議名:未確認異常現象の真実暴露
開催日:2024年11月13日
主催:サイバーセキュリティー・インフォメーションテクノロジー・アンド・イノベーション小委員会および、国境と外交に関する国家安全保障小委員会の合同
参加議員:ナンシー・メイス議長(南カリフォルニア州)、ティム・バシェット(テネシー州)、エリック・バーリソン(ミズーリー州)、アナ・パリーナ・ルナ(フロリダ州)、ジャード・モスコビッツ(フロリダ州)、ロバート・ガルシア(カリフォルニア州)等
証言者:ガローデット、エリゾンド、シュレンバーガー、マイクゴールド
概要:UAP情報公開法に関連して昨年開催された第一回公聴会を踏まえて開催された第二回目の公聴会。民主党、共和党の両党主催で実施。冒頭、議長から、外部圧力に屈せず不退転の決意でUAPの真実を追及して行く旨発言があった。
議員発言抜粋:
メイス議長: 元国家安全保障問題担当大統領補佐官のハーバート・マクマスターは、ビル・マーのトーク番組で、次のように言っていました、「我々の範疇にある科学では説明不可能な現象の数々が、かつてから沢山の人々に目撃されてきた」(“Real Time with Bill Maher”, 2024年9月6日放送)。また、連邦政府UAPタスクフォースのメンバーであったカール・ネル陸軍大佐は、過去のカンファレンスで「地球人以外の知的生命体は存在する。彼等は、地球人と交流している。これは目新しいことではないし、現在進行形の話でもある。公選されたわけでもない政府関係者に、それを知っている人たちがいる」と発言していました(“SALT iConnections Conference”, ニューヨーク市、2024年5月)。UAPは物議の多いトピックとして存在し続けてきました。名指しはしませんが、公聴会を開催して欲しくないと思う人たちを知っています。暴露されるのを恐れている事があるのです。
グロースマン議員:昨年の小委員会公聴会において、デビッド・フレーバー元海軍Commander(David Fravor)から太平洋上の任務中にUAPに直接接触した話を、デヴィッド・グラッシュ元情報機関職員(David Grush)から、政府が議会の監視を潜って実施している秘密計画の暴露を、ライアン・グレイブス元軍パイロット(Ryan Graves)から、軍民間を問わずパイロットがUAPに関して目撃報告が制限されている旨聞きました。以来、理解を深めるため政府の関連省庁にヒアリングを重ねてきました(中略)関連省庁は協力的で委員会からも、機密情報隔離施設(SCIF) の内部、周辺の関連者に再三質問を重ねましたが、デビッド・グラシュの証言を裏付けるものは何も出てきませんでした。本日の公聴会で、我々の追求の手助けとなる証拠と実のある証言が得られることを期待します。
オグル議員:(UAPの技術を誰が創発かにかかわらず)敵の手に渡れば兵器化されるのではないか(中略)、合衆国の技術なのか、その他(他国、民間)のものなのか、地球外のものなのか、まずそれを明らかにすることが重要と思う(中略)。(議会は)立法機関、規制機関として、知る必要がある。情報へのアクセスを妨げるものは犯罪者だと考える。実際に、合衆国政府の人員が危害を加えられかねないのだから。究極的には、我々の存在を侵しかねない技術が現前としているわけです。
以下、証言者の証言内容および質疑応答の要旨。
ガローデット(Dr. Tim Gallaudet)
経歴:元海軍少将、Ocean STL Consulting, LLC現役員
体験:2015年、海軍気象海洋学司令部(Navy Meteorology and Oceanography Command )の指揮官の一人として、海軍演習準備に参加。演習は、USSセオドア・ルーズベルト空母打撃群を含むもので、海軍提督に率いられたアメリカ艦隊総軍の監視下で行われた。演習準備中、セキュリティで保護された海軍電信網を通じて、一通のE-mailを受信。海上上空で確認された複数の不審な飛行物体に関して問い合わせるものだった。
国防省の方針に鑑みて、演習中に未知の技術の実演を行うようなことはない。E-mailの主旨は、誰か受信者が持つ、軍の機密技術の知見から、飛行物体が説明可能であることを期待したものと推測する。E-mailは、複数の空中衝突の危険性を指摘し、演習中止の懸念がある旨警告したもの。現在、機密解除を受け、”GoFast video”の名称で認知されているビデオクリップが添付されていた。翌日、E-mailは受信者すべてのアカウントから消えていた。その後、組織的に何の補足も無い。
その他:元国防省のクリス・メロン(Chris Mellon)から、数年前に撮影されたUAPの衛星画像が未だに議会と共有されていないと聞かされた。
主張:UAPは実在する。UAPによる航空障害のリスクが放置されていることを懸念。UAP情報は、情報機関内で、蛸壺化した閉鎖的な組織(スペシャル・アクセス・プログラム)により、過剰な秘密主義の下で管理され、政府高官や議会議員の監視の目を逃れている。
提案:①大統領府が管理するUAP情報について頑健な監視体制を確立すること。まずは、AAROが政府内のUAPに関する既知の事実を包括的に公表すること。②UAP情報公開法の法制化により、UAP記録の審査委員会を設立し、政府によるUAP情報の取り扱いに関して、独立して監視を実施、透明性向の上、説明責任の明確化を図る。③UAP情報公開法の強化および、UAP問題を継続して提起するため、全政府的アプローチの義務化条項を付した将来的な再承認制度の確立。
ルイ・エリゾンド(Luis Elizondo)
経歴:元国防省職員、現作家
体験:いわゆる「米軍による秘密のUFO研究」に参加。
主張:UAPは、実在している。UAPは先進技術である。米国政府や他国の政府が製造したものではない。米国は、UAPの技術をいくつか確保している。米国の敵対国の中にも確保している国がある。何十年もの間、秘密の兵器開発競争が行われ、納税者の税金が無断で利用されてきた。地球は宇宙の中で孤立した惑星ではない。UAPに関する情報を口外すると、秘密主義者たちの圧力で社会的に攻撃を受け生命の危険にさらされる。自分や元同僚達が被害にあっている。
UAPについては、全政府的なアプローチで責任者を一元化する必要がある。現行の仕組みでは、監査網を逃れた権力や腐敗を摘発できない。また、議会は、内部告発者が安全に証言できる環境を確保する必要がある。内部告発者は、守秘義務、社会的烙印や報復などを恐れて進んで前に出ることができない。国防省の広報室は、UAP関連の問い合わせの窓口に心理戦の担当者を雇用し、偽情報で質問者を欺き、UAPに関する証言の信頼性を失わせようとしている。
マイケル・シュレンバーガー(Michael Shellenberger)
経歴:調査報道者、現Public(ネット報道)社創立者
体験:匿名の政府関係者が内部告発した文書を入手し議会に提出。文書には、墜落UAPの技術回収と模倣(リバース・エンジニア)を目的とした、高度な機密計画の存在が記載されている。
主張:UAPに関して、軍や情報機関の一部の者たちが憲法に違反し、議会に内密で活動を行っている。大統領府が議会の承認なしにUAP、NHI(地球外知的生命体)の問題を管理してきたと告発した報告書(同上)がある。同報告書の作成者から直接、軍や情報機関の一部の者たちが、長い間かけて管理してきた戦略情報計画、いわゆるUSAP(非公認の特別機密計画)というものが存在すると聞いた。同報告書によると、「無垢な星座」(Immacurate Constellation)と呼ばれる中心的なプラットフォームがあり、公式、非公式の情報、高解像度の映像情報、UAPを捕捉分析するツール、マシント(Measurement and signature intelligence )が集約されている。アメリカ国民は、合衆国政府と情報機関が長期間にわたり収集した、何百、何千ものUAPの膨大な高画質映像や非映像情報を保有していると知る必要がある。
マイケル・ゴールド(Michael Gold):
経歴:元NASA副長官(宇宙政策とパートナーシップ)、NASA・UAP独立調査チーム
主張:UAPの解明において、NASAの役割に期待する。NASAはシンポジュームを通じて、一般のUAPに対する関心を高めることが可能。NASAのアーカイブには、貴重なUAPに関するデータが保存されている可能性がある。AI等を用いて予算で、アーカイブから異常現象に関するデータが抽出出来る可能性がある。
民間パイロットのUAP目撃情報の報告手続きを確立する必要がある。NASAのガイドラインであるASRS(Aviation Safety Reporting System)の利用を推奨する。UAPに関しては、安全保障と国防の観点からの議論が支配的だが、NASA、FAA、空、海、宇宙における商業ベースの活動からも、膨大な貴重なデータの収集が期待できる。
議員の質問に対するガローデット氏の回答:
質問:何故、E-mailが回収されたと思うか。
回答:憶測だが、(UAPの出現は)スペシャル・アクセス・プログラムの一環だったのではないか。それに気が付いて、E-mailを回収したのでは。
質問:海中事象について知見はあるか。
回答:自身の体験ではないが、80年代に、潜水艦のソナーで海中の未確認移動体をとらえたという人物を知っている。
質問:そもそもAAROは存在しないとするUAPの情報を収集している。矛盾を感じないか。
回答:AAROは責任者が変わり、もう一度自分に会おうと接触してきた、よい兆候と思う。
質問:昨年12月ラングレー空軍基地上空に、大量の正体不明の「ドローン」が飛来した事件に関して、もしそれが、中国の仕掛けたものであれば、脅威である。(中国が)米国が説明出来ない技術を持つことを意味する。もし、それが地球外生命体のものであれば、それもまた、恐ろしいことだ。彼らの意図が不明ゆえ。
回答:まさにその通り、だから本公聴会をテコに、対空防衛機能、および海上・海中の監視機能を向上し、安全保障上、脆弱な箇所を改善すべきと考える。UAPが、地球外生命体、中国やその他敵対国の技術、如何にかかわらず、である。
質問:UAPとは何だと思うか。
回答:人類以外の知的生命が造った物。
質問:政府の防衛計画にとりこまれた地球外の回収技術や物質はあるか。
回答:知らない。
質問:地球外生命体の遺伝子を用いた人類とのハイブリッド技術について聞いたことはあるか。
回答:知らない。
議員の質問に対するエリゾンド氏の回答:
質問:UAPは、政府ではないと言うなら、誰が造ったのか?民間企業か? それとも、地球外知的生命体か?
回答:両方ともありえる。ブルー・フォース・テクノロジーズ(注:無人ドローン等に関する軍事技術) に関しては発言できない。
質問:墜落UAPの回収計画に参加したことはあるか?
回答:守秘義務があり回答不可。自著で回収計画に触れているが、刊行前に1年間査読された。記載内容が公表可能な内容の全て。
質問:守秘義務は誰から求められたものか?
回答:合衆国政府。国防省の施設内で署名。
質問:回収計画は政府が指導したものか。
回答:はい。
質問:エイリアンの宇宙船を模倣(リバース・エンジニア)する目的で行われたものか?
回答:はい。
質問:自著に、政府職員がUAP関連作業で負傷し、政府が補償したとあるが正しいか。
回答:はい。
質問:回収UAPで負傷した職員に補償金を払ったというのなら、政府はUAPを回収したことを否定できないはず。
回答:同意。政府文書にUAPの事故で複数名の職員が負傷したと記載されているのを見た。
質問:UAPが、軍事施設で目撃される頻度はどの程度か。
回答:何十年もの間、センシティブな軍事施設、核関連施設、エネルギー省の施設での目撃事例がある。UAPとそれらの施設は何らかの関連があると思う。
質問:情報を持つ関連省庁は、何故情報公開をしたがらないのか。
回答:推測だが、国防システム、情報機関の情報収集システムに関して潜在的脆弱性を暴露することになるからだと思う。
質問:国防省にあるUAP関連の資料は、国家安全保障を損なわずに公開可能と思うか。
回答:はい。いわゆるブルー・フォース・テクノロジーズを損いかねない情報を除いても、UAPには、アメリカ国民と議会議員と共有すべき情報がある。
質問:自身にとってUAPとは何か。
回答:謎、フラストレーション。もし、敵対的技術であれば、9・11事件を超える規模での情報機関の失態です(注:米情報機関が、9・11事件を未然に防げなかったことを指す)。
質問:デビッド・グラシュ(David Grush)は、(前回の公聴会で)何十年もの間議会の監視を逃れて、墜落UAPの回収と模倣の計画があったと主張したが、どう思うか。
回答:全く正しい。
質問:「無垢な星座」に関する報告を読んだことがあるか。
回答:否。
質問:UAPとは何だと思うか(注:UAPの定義が多義であり、同様の質問に同一人物から複数の異なる回答があるが、ここでは創発者に関する問い、とのニュアンスで受け止められている模様)。
回答:人類以外の知的生命が製造したものとの強い根拠あり。
質問:政府機関もしくは、政府請負会社の内に、どこかUAPの先進技術を保有しているところはあるか。
回答:国防省から公表を許可された文書に、ALSAP(エリゾンドの前任者が所属していた計画)が未知の物質を回収しようとした理由が記載されている。回収はうまくゆかなかった。ある航空宇宙関連の政府請負会社(Bigelow aerospace company)が、1950年代に、回収された物質を処分しようとしたが、それもうまくゆかなかった。
質問:未知の物質を、議会議員が機密情報隔離施設(SCIF)に入って確認することは可能か。
回答:合衆国政府内の最終責任者たち(gatekeepers)の判断によるだろう。
質問:ここから先に進むには、あなたならどうするか。
回答:AAROに権限を与えるべき。
質問:(地球外生命体の)遺体回収ついて何か知っているか。
回答:事実は知っている。専門家ではないので詳細は回答不能。複数の遺体が、何十年も前から、秘密裡に収集されてきた事実が問題。UAPは、核兵器関連施設や準備体制を妨害可能である。
質問:合衆国政府および請負会社はそういった技術を回収し、模倣しているのか?
回答:自著にあることしか公表できない。
質問:UAPの航空リスクについてどう考えるか。
回答:UAPが航空に与えるリスクはあると思うが、近年UAPが現れる頻度が増しているのか、我々の監視技術が向上したから目撃が増えているのか、どちらかはわからない。
質問:意図的に、軍の施設付近に表れていると思うか?それとも軍のモニター技術が向上したのでそう見えているだけか。
回答:両方可能。問題は、IPB(Initial Preparations of the Battle Space)やISR(Intelligence, Syrveillance and Reconnaissance)等の軍の論理では、敵対的意図がたった2%もあれば、我々が受け入れられる範囲を2%超えてしまうということ。能力/可能性と意図の問題がある。能力/可能性については確認済。意図が不明な点が問題。政府の観点から、誰も彼らの意図が分からないことが悩ましい。
質問:政府の防衛計画にとりこまれた地球外の回収技術や物質はあるか。
回答:答えられない。
質問:地球外生命体の遺伝子を用いた人類とのハイブリッド技術について聞いたことはあるか。
回答:答えられない。
議員からの質問に対するシュレンバーガーの回答:
質問:「無垢な星座」(Immacurate Constellation)の目的と予算規模について教えてください。
回答:目的はUAP情報の記録化です(予算規模につていは回答なし)。
質問:複数の信頼できるソースに確認したということか。
回答:はい。ソースとなった人物たちが実際に自称している人物か確認した。現役もしくは元連邦職員たちだった。
質問:政府請負企業の人員を含むか?
回答:政府職員としか言えない。
質問:現在、政府請負企業の人物も含むか。
回答:回答不可。
質問:「無垢な星座」(Immacurate Constellation)計画の実在性を特定できる根拠となるものはあるか。
回答:同計画の名称を複数の情報源から確認。情報源が自称の政府関連人物かどうか自分自身で確認した。報告書に既知の事例が無いため、閲覧用のものではないと判断。それ自体を問題視している。
質問:UAPがどの国で創発されたものか分りますか。
回答:わかりません。
質問:「無垢な星座」(Immacurate Constellation)の報告書の作成者について。
回答:作者は、現職もしくは元政府職員です。名前は言えません。
質問:政府の防衛計画にとりこまれた地球外の回収技術や物質はあるか。
回答:知らない。
質問:地球外生命体の遺伝子を用いた人類とのハイブリッド技術について聞いたことはあるか。
回答:知らない。
議員からの質問に対するマイク・ゴールドの回答:
質問:UAPのうち、どの程度が、機密に飛行する航空機や非公認の実験機以外(つまり、地球外)のものと思うか。
回答:おそらく、(目撃される)ほとんどの正体はドローン、実験機、気象現象によるものだと考える。だからこそ、データ分析が重要。
米国議会公聴会の模様は、以下リンクからYoutubeで閲覧可能です。本HPの記載にかかわらず、リンク切れ等の理由で閲覧が不可となることがありますのでご留意ください。
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